輪郭整形・小顔整形 コラムColumn

2023/01/11
歯列矯正でエラ張り・顔の大きさは変化する?エラ張り改善方法について


ワイヤー矯正、マウスピース矯正などによる「歯列矯正」は、本来「歯並び」や「かみ合わせ」を改善するために行われる治療ですが、治療を行った方の中には歯列矯正治療によってエラ張りが治ったり、顔がほっそりとした、小顔になったというケースがあります。
とてもありがたいオマケ効果ではありますが、残念ながら全ての方が歯列矯正によってエラ張り改善や小顔効果があるわけではありません。本コラムでは、歯列矯正でエラが改善できるケースとできないケースの違いや、その他のエラ張りを改善する方法についてまとめます。

歯列矯正でエラ張りは変化するの?

歯列矯正の治療によって歯並びがよくなると、一定の割合でフェイスラインがほっそりしたり、エラ張りも同時に改善することがあります。歯列矯正を行うと100%の確率でエラ張りも改善するのであれば誠に嬉しい話ですが、実際には、エラ張りが改善する人と改善しない人に分かれます。

この違いは、エラ張りの原因によります。歯並びや噛み合わせが悪くて顎の筋肉のつき方がアンバランスになっているため骨格に歪みが生じている場合は、歯並びを改善することで顎の筋肉や骨格が整えられ、フェイスラインをスッキリさせたり、エラ張りを改善することが可能です。また、歯並びが悪いことで歯ぎしりの癖がある場合も、歯列矯正後にエラ張り改善やフェイスラインがすっきりしたという小顔効果を実感できることが多いです。
ただしエラ張りや顔が大きく見える原因がこれ以外の場合は、歯列矯正を行っても小顔効果を期待することは難しいでしょう。

そもそもエラが張っている原因とは

歯列矯正で改善できるエラ張りと、そうではないエラ張りがあることについて、もう少し詳しく説明します。
見た目では全員同じように見える「エラ張り」でも、実際には「筋肉」もしくは「骨格」のどちらかが原因となっており、これらの原因によってエラが張ったり顔が大きく見えてしまうメカニズムが異なります。それぞれについて見ていきましょう。

原因① エラの筋肉(咬筋)が発達している

エラが張って顔が大きく見える原因が、エラの筋肉のケースです。エラには咬筋(こうきん)という筋肉があり、この筋肉が発達しすぎていると、エラが大きくなります。
咬筋は頬骨から下顎の骨にかけてついている筋肉で、噛むとき、話すとき、食いしばるときに使われています。咬筋は硬いものを食べてもしっかりと食物を嚙み切れるほどに強い力を持った筋肉のため、日常生活で必要以上に咬筋を使いすぎたり、悪い癖がついていたりすると、咬筋が発達してエラが張る原因になります。エラ張りには2つの原因があると言いましたが、多くの場合はこの咬筋の発達しすぎな状態が原因です。

原因② エラの骨格が張っている

エラが張って顔が大きく見える原因が、骨格のこともあります。
エラ付近の骨は「下顎角(かがくかく)」と言い、下顎の骨(下顎底・下顎下縁といいます)の角部分を指します。この下顎角の形や骨の角度によって、エラが通常よりも張ってみえてしまいます。骨格(下顎角)が原因でエラが張っていたり顔が大きく見える場合は、自力で改善することは難しいです。

歯列矯正でエラが変化するのは「筋肉」が原因の場合

このように、エラが張っていたり顔が大きく見える原因には「筋肉」と「骨格」がありますが、歯列矯正の治療によってエラの変化が期待できるのは「筋肉」が原因の場合です。骨格が原因の場合は残念ながら歯列矯正を行ってもエラに変化は生じません。
では筋肉がエラ張りや顔が大きく見える原因の場合、なぜ歯列矯正によってエラ張りを改善できるのか詳しくみていきましょう。

①歯列矯正で歯並び・噛み合わせを改善すると顔のバランスが整うから

歯並びが悪かったり噛み合わせが悪かったりすると、筋肉のつき方がアンバランスになり、骨格が歪んでしまうことがあります。歯列矯正で歯並びや噛み合わせを改善すると、筋肉のつき方や骨格の歪みが改善されるため、エラ張りが目立たなくなります。つまり歯列矯正で歯並びや噛み合わせを改善すると、直接的にエラが変化したり小顔になるというわけではなく、歯列矯正によって筋肉・骨格が正しい形で機能するようになることで顔のバランスが整い、結果としてエラ張りが改善したり、小顔効果を得ることができます。

②歯列矯正で歯ぎしりが軽減されると筋肉のつき方にも変化が出るから

歯並びの悪さが原因で歯ぎしりをしてしまう方がいらっしゃいます。歯ぎしりは寝ている時や集中している時などに無意識で行ってしまう癖で、強い力で歯を擦り合わせてしまうことで歯や顎に大きな負担をかけてしまっています。また顔(エラ付近)の筋肉のつき方にも影響を与えるため、歯並びを改善して歯ぎしりを軽減させると、筋肉のつき方に変化が現れ、結果としてエラを改善する効果が期待できるということです。

(番外編)親知らずを抜いて小顔になるケースもあります

以上の2つが、筋肉によるエラ張りが歯列矯正によって改善する理由となりますが、番外編として歯列矯正の他に親知らずを抜歯することで小顔になるケースもあります。(こちらのほうが歯列矯正よりもイメージしやすいかもしれません)
口の中の一番奥にあるエラの部分に生えている下の親知らずの歯を抜くことで、その周囲の骨が徐々に痩せて小さくなってエラがスッキリして小顔の印象に変化します。また、上の親知らずを抜いた場合は頬骨付近の張り出しが目立たなくなるため、下の親知らず同様に、術後に小顔の印象を与えます。

歯列矯正で改善しない際にはボトックス注射も有効

筋肉が原因でエラが張っている場合、歯列矯正によって改善されるケースがあることを述べました。しかし、そもそも歯列矯正の本来の目的は歯並びや噛み合わせを改善することなので、エラ張りが改善しないこともありますし、多少は改善してもせっかくなら「もっとしっかりと小顔になりたい」と思われることもあるでしょう。このような際には、エラ張りを改善する目的の治療であるボトックス注射がお勧めです。
ボトックス注射には筋肉の収縮を抑える働きがあり、エラ部分に注射することで発達しすぎた筋肉の働きを弱めて、エラの張りを軽減します。よりしっかりと小顔になりたい、エラ張りを改善したいという際には、エラ取りを目的としたボトックス注射がお勧めです。

エラ張りの原因が骨格の場合は輪郭整形がおすすめ

では、骨格が原因でエラが張っていたり顔が大きく見える場合は、どのようにして改善するべきでしょうか。

生まれつきの骨格のため自力では治せない

筋肉が原因でエラが張っている場合は、多少であれば歯列矯正の治療によって、よりしっかりと小顔効果を得たい際には「エラ取り」を目的としたボトックス注射で改善することができます。(ただし歯列矯正による小顔効果は副次的なものなので、オマケとしてお考え下さい)
しかし骨格が原因でエラが張っている場合は、ボトックス注射や歯列矯正を行っても変化は起きません。また小顔マッサージなどのセルフケアでも骨格は変えられません。

輪郭整形(美容整形)なら、骨格にも変化を出せる

骨格が原因でエラが張っている場合は、輪郭整形のひとつである「エラ骨切り術(エラ整形)」によって小顔やVラインのフェイスラインへ変化を出すことができます。出っ張った箇所の骨を切ったり削ったりすることですっきりとしたフェイスラインになります。骨切りによる輪郭整形は、長年の悩みの原因を「根本」から解決できる上に、半永久的に効果が持続するためおすすめです。

みずほクリニックのエラ張り改善・フェイスラインをすっきりさせる施術

みずほクリニックでは、骨格が原因となっているエラ張りや顔の大きさを改善する施術として以下を取り扱っています。上でも述べた通り、骨格が原因の場合はセルフケアや痩身治療などでは改善することができません。骨格そのものを改善することができる手術によってすっきりとしたフェイスラインへ整えます。

エラの張りを改善する「エラ骨切り術」

・エラが張っている
・顔が大きい(特に横幅)
・フェイスラインがベース型をしている

エラの骨が張り出して顔が大きく見える際には、輪郭整形術の中でも「エラ骨切り術」が適応となります。張り出しているエラ部分の骨(下顎角)の大きさを調整し、ゆるやかなカーブを描くフェイスラインへ仕上げます。
「エラ骨切り術」について詳しくはこちら

●エラ骨切り術の失敗・注意点

骨格が原因で顔が大きく見える方も小顔になれるエラ骨切り術ですが、念のためエラ骨切り術における注意点・失敗例についても少しだけ解説します。(本件については改めて別ページで細かく詳細をお伝えしたいと考えております)

小顔効果が期待できるエラ骨切り術ですが、フェイスラインの状態によってはこの施術だけを行っても術後に変化がほとんど出ないケースがあります。このような失敗になる原因は、エラ張りや顔が大きく見える原因が「エラ(下顎角)の出っ張り」だけではなく、「エラからあご先をつなぐフェイスラインの骨(下顎下縁といいます)」も大きく、術後もこの部分にボリュームがあるため変化が感じられないことによって生じます。そのため当院では、このような術後の失敗(=変化が感じられない状態)を避けるために、術前の医師による診察や各種検査(CT検査・レントゲン検査など)の結果をもとに、どの部分にどの程度の範囲で手術を行うかといった手術計画を一人ひとりの骨格にあわせて完全カスタマイズで医師が1枚1枚作成しています。患者さんもきっと施術を行うかどうか色々悩んだりされた上で、意を決してご来院してくださっているでしょうし、一度施術を行うと簡単に修正ができる手術ではありませんので、当院では理想のラインに少しでも近づけられるように慎重に対応をしています。

参考までにエラとフェイスライン下部を細くする手術(エラ骨切り術+下顎下縁形成術)の手術イメージをイラストで紹介します。
当院では、この術式の他にも一人ひとりの骨格に合わせていくつかのエラ骨切り術のレパートリーを用意しています。

フェイスライン全体をスッキリさせる「小顔・Vライン形成術」

・エラだけではなく全体的に顔が大きい
・フェイスラインが全体的にゴツゴツしている
・Vラインのシャープなフェイスラインになりたい
・あご先から耳付近まで、全体的に小顔に見せたい
・太いあご先をほっそりさせたい

このような場合には、当院では小顔・Vライン形成術が適応となります。Vライン形成術は、耳下〜あご先までのフェイスライン全体をシャープにさせることができる施術で、エラ骨切り術との違いとしてはあご・あご先を含むか含まないかという点になっています。
「Vライン形成術」について詳しくはこちら

●小顔・Vライン形成術の失敗・注意点

小顔・Vライン形成術の失敗例や注意点についても改めて別コラムでしっかりまとめたいと思いますが、ここで一点だけお伝えするとすれば、小顔整形のやりすぎには注意をしていただきたいという点でしょうか。エラ骨切り術の場合は術後に変化が出ないケースについてを注意点としてあげさせていただきましたが、逆に小顔・Vライン形成の場合、「もっと細くシャープにしたい」という希望通りの施術を行うと、宇宙人やカマキリのような顔立ちになってしまうことがあるためです。

当院では「自然な美容医療」をモットーとして施術を行っているため、私どもが一般的な範囲として考えている以上にもっとシャープな小顔にしたいというご希望があった際には、大変申し訳ないですが他の美容クリニックに相談するようにお願いしています。今はそのフェイスラインでご満足いただけるかもしれませんが、将来年齢を重ねてお顔が老化していった際にどうなるのか、また時代の流行が変わっていく中でどうなるのか、といった部分を考慮した上での対応となりますので、どうかご理解いただければと思います。

参考までに、小顔・Vライン形成術の手術イメージ(一例)をイラストにて掲載します。(おとがい垂直骨切り術+下顎下縁形成術+エラ骨切り術)
エラが張っている他、あごも横幅が太くてフェイスライン全体が大きい場合にはこのような形であご先からエラにかけたフェイスライン全体で骨切り・骨削りを行い、ほっそりとしたVラインを形成します。なお、この方法の他にもいくつかの術式があり、一人ひとりの骨格やご希望にあわせて適した方法で施術を行います。

エラ張りや顔の大きさが気になる際にはお気軽にご相談ください

エラが張っていて顔が大きく見える場合、その原因は筋肉もしくは骨格によるものの2種類があることを簡単にまとめさせていただきました。筋肉の場合は歯列矯正で多少改善することもありますが、よりしっかりと、エラ張り改善をメインの目的として行う場合にはボトックス注射(エラ取り注射)がやはりお勧めです。また骨格が原因でエラが張っている・顔が大きく見える際には、骨そのものを削ったり切ったりすることでシャープなフェイスラインを実現することが可能です。当院ではいずれの施術も対応しておりますので、「エラ張りの原因をちゃんと調べたい」「自分のフェイスラインの場合はどんな施術が適応になるのか知りたい」という際にはご相談ください。

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監修医師
みずほクリニック

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。 免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士