輪郭整形・小顔整形 コラムColumn

2023/03/24
エラ削り・骨切り術でよくある失敗と、失敗を防ぐポイントについて

「エラ」とは耳下の出っ張った部分のことで、医学的には下顎角(かがくかく/下顎骨と言う骨の角にあたります)という名前がついています。この部分(エラ)が出っ張っていると、フェイスラインが横に大きく張り出してしまうため、輪郭がベース型(ひし形)になったり、顔が大きく見えることがしばしばあります。エラ骨削り術・エラ骨切り術は、このような張り出したエラの骨(下顎角)をシャープにすることで、小顔・Vラインのフェイスラインを形成する人気の輪郭整形・小顔整形術です。

当院ではエラ整形について多数の施術を行っていますが、興味があるものの、なかなかクリニックに相談に行く最後の一歩が踏み出せない方や、遠方などの理由で少し躊躇されている方もおられるかと思います。また、実際に診察でも相談を受けることもありますが、「エラ部分の輪郭整形や小顔整形をやってみたいけど、失敗したくない」という、『イメージと異なる仕上がりになってしまう』ことに対してご不安を抱えている方もいらっしゃると思いますので、今回は、エラ整形(エラ削り・骨切り術)において実際に現場でよく遭遇する失敗例(他院修正)と、そのような失敗を避けるための5つのポイントをまとめてみたいと思います。
それでは、今回もお付き合の程よろしくお願いいたします。

エラ削り・エラ骨切り(エラの輪郭整形)とは

「エラを小さくして小顔にする整形」には大きく分けて2種類があります

まず大前提として、エラの張り出しを小さくしたい・小顔になりたいといった場合は、エラが張り出している「原因」によって大きく分けて2つの方法があります。そのうち、皆さんがよくご存じなのは、ボトックス注射(エラ取り注射)ではないでしょうか。
ボトックスによるエラ取り整形は、「エラの部分にある筋肉(咬筋といいます)」がエラの張り出しの原因である際に適応となる施術です。ボトックスを注射することで、過剰に発達したエラの部分にある筋肉の働きを鈍らせることで、エラを小さくさせます。
対して、今回お話をするエラの小顔整形・輪郭整形(エラ削り・エラ骨切り術)の場合は、「エラの骨」が張り出していることで顔が大きく見える際に行う整形術です。まずはこの、「エラが張っている原因」にあわせて施術を行うことが最初のポイントになります。といっても、ご自身ではどちらが原因かわからないことも多いと思いますので、その際には実際にエラや輪郭の状態を医師の診察で診てもらうのがよいでしょう。

エラの小顔整形・輪郭整形は、さらに2種類に分かれます

さらに、エラの小顔整形・輪郭整形には2種類に分かれます。エラの骨がどのくらい張っているのかによって施術法が少し異なり、それほどエラの張り出しが大きくない場合はエラの骨を削る方法(エラ削り術)を、比較的エラが大きく張り出している場合は、張り出したエラの骨の一部を切除する方法(エラ骨切り術)で施術を行います。どちらの施術が適応になるかは、当院の場合は実際に医師が診察で輪郭の状態を確認し、さらにCTや頭部レントゲンなどを行った上で適した方法をご提案しています。

エラ削り・骨切り整形によくある失敗とは

まずはエラを小さくする整形術について整理しました。そしてここからは本題となるエラ削り術や骨切り術(エラの小顔整形・輪郭整形)において、当院でよくご相談いただく失敗例(他院修正)についてまとめてみたいと思います。

エラ削り術や骨切り術でよくある失敗例

〇手術の効果をほとんど感じない

術後に効果を実感できなかったといものは、エラの輪郭整形・小顔整形において実は最も多い失敗例かもしれません。その理由は、エラの輪郭整形術は口腔内の粘膜部分を切開して行う施術のため、こめかみなどお顔の外側(皮膚側)から切開をして施術を行う他の輪郭整形術と比較すると術者(医師)が手術中に確認できる視野がとても狭くなる上に、操作を行える範囲も口の中からアプローチするため限定的になってしまい、本来行うべき範囲まで届かず骨削りや骨切りが限定的になってしまうことで起こります。
少し専門的な話になってしまいましたが、口の中から施術を行うのは難易度が高く、骨切りや骨削りに慣れていない医師の場合はうまくできないことがあります。

〇フェイスラインが不自然になった(やりすぎた)

エラは、耳下から顎まで続くフェイスラインを形成する一部です。そのため必要以上に下顎角を削ったり切りすぎてしまうと、「宇宙人顔」・「カマキリ顔」などと言われる状態になってしまったり、顎へ続く輪郭(下顎下縁=下顎につながるフェイスライン全体)よりもエラが小さくなりすぎてフェイスラインが凸凹になってしまうことがあります。一つ目(=効果がほとんどない)と違って、やりすぎてしまった場合はやり直しが大変難しくなるので、特に注意が必要な失敗例となります。

※写真はあくまでイメージですが、このようなラインです。

〇左右差ができた

エラ削りや骨切りを行う際には、左右の輪郭ができるだけ同じラインになるように施術を行う必要があります。ですが、そもそも人間の顔は左右対称ではないので、同じミリ数で施術を行うと逆に左右差が生じることがあります。当院ではCT画像などをもとに、左右差を事前に確認した上で左右のエラをどの程度調整するかミリ単位で計算し手術計画を立てていますが、この点を意識せずに施術を行うと、仕上がりの段階で左右差が生じてしまいます。

※以下は当院で行ったあご(オトガイ)の輪郭整形術で切除した骨となりますが、左右差を鑑みて切除を行うと、このように切り取った骨にも左右差が生じます。(写真はオトガイの例となりますが、エラにおいても同様のことが言えます)

〇かみ合わせに異常が生じる(咬合不全)

これは見た目ではなく機能的な面における失敗例となりますが、エラ(下顎角)を骨切りする際に必要以上に上方向に骨切りラインが切りあがってしまうと、下顎枝の関節突起を傷つけてしまうことがあります。関節が傷つくことで、術後に開口障害(口を開けにくくなる)や奥歯が噛み合わなくなる、口を閉じても上下の前歯に隙間ができるといった咬合不全(こうごうふぜん/かみ合わせの異常)が生じることがあります。

エラ削り・骨切り整形で後悔しないために

エラの輪郭整形・小顔整形(エラ削り・骨切り)で多くみられる失敗例について簡単にまとめてみましたが、できるだけこのような失敗を防ぐための防衛策についてお伝えします。エラの整形をご検討されている方は、できるだけ後悔のない形で施術を終えられるよう以下の点に気を付けていただければと思います。

エラ削り・骨切り整形に慣れた医師に手術をお願いする

これは最も大切なポイントと言えるのではないでしょうか。エラ整形(エラ削り・骨切り)はそもそも実施しているクリニックがそこまで多くはない上に、症例数はクリニックによって大きく異なります。また規模の大きいクリニックが多数の症例を持っているかというと、一概にそういうわけでもありません。骨切りや骨削りは、ヒアルロン酸注入や糸リフトといった美容皮膚科メニューと異なり、比較的大がかりで時間がかかる整形術です。また、一度失敗するとやり直しがしにくい手術ですので、手術前の段階において、手術工程や仕上がりイメージを事前にシミュレーション構築ができる、施術経験が豊富な医師にお願いするのがよいでしょう。

手術後の仕上がりイメージを事前に明確にする

当院では、事前に「ベクトラ」という3D画像シミュレーションソフトを使用することで、手術前の段階でどのような仕上がりになるのかをご自身のお写真をもとに立体的な画像で確認していただくことが可能です。ベクトラでの画像診断は有料(3,300円)ですが、このシミュレーションを行うことで、手術を行う前に「どのような仕上がりになるか」をかなり精度の高い状態で確認することができます。仕上がりと違った結果になるという失敗を避けるためにも、このようなツールは最大限活用されることをお勧めします。

医師とのコミュニケーションを密に行う

ご自身がどのような仕上がりをイメージしているかを、きちんと言葉で医師と共有することもとても重要なポイントです。クリニックによってカウンセリングや診察にかける時間は様々ですが、輪郭整形術の場合は比較的大きな施術となりますので、最低でも1時間程度はカウンセリング・診察に時間をかけることをお勧めします。その際に、「自分の輪郭だったらどんな仕上がりになるのか」「希望のイメージに近い形になるのか」といった術後のイメージとすり合わせて、懸念していることや気になる点があれば事前に確認するようにしてください。

気になる点は事前に必ず確認する

上の医師とのコミュニケーションにも関連しますが、術後のダウンタイムや過ごし方、アフターケアの方法などにおいて気になる点やわからない点がある際には、事前に医師や看護師に確認することをお勧めします。また施術によって起きうる可能性がある副作用やリスクについても、事前に確認するようにしてください。この点をうやむやにしたまま施術を行うと、「言った・言わない」「聞いている・聞いてない」といったことでトラブルになる可能性も高いです。また、手術代とは別で麻酔費用やお薬代などがかかるケースも多いので、施術でかかる総額費用もこの段階でしっかりと確認するとよいでしょう。

エラ整形(エラ削り・骨切り)だけでは理想のラインにならないことも

なお、エラの張り出しが気になる際にエラ部分の骨削り・骨切りを行っても、患者様がイメージされているような小顔・Vラインの輪郭にならないことがあります。
その理由は、輪郭とは「耳下のエラ付近から顎までのつながった一連のライン」であるため、エラにだけ変化を加えても、そもそもフェイスライン(下顎の骨)全体にボリュームがあったり、あご先の骨も大きかったりすると術後に変化を実感できないことがあるためです。このような際には、エラ整形とあわせてフェイスライン(「下顎下縁」という部分になります)や、顎先の骨(「顎先骨」または「おとがい」と言います)にも変化を加えることで、全体的に小顔・Vラインのフェイスラインを実現することが可能です。

※エラだけではなくフェイスライン全体が張り出している場合は、エラ整形を行ってもあまり効果を実感できないことがあります。(イラストはイメージです)

「自分の場合はどうなんだろう?」という際には無料画像相談もご活用ください

上で述べた通り、お一人ひとりの骨格や理想の仕上がりイメージによって施術範囲はかなり異なってくるため、「エラ張りが気になる」という同じお悩みであっても、人によってボトックス注射で改善できるケースもあれば、エラの輪郭整形とあわせてフェイスライン全体もしくは顎先などの輪郭整形も同時に行う必要があるケースなど、その施術法は実に多岐にわたります。
このように書くと、「私の場合はどうなのだろう?」と思われる方もおられるかもしれません。具体的な適応施術については、実際に我々医師が一人ひとりの輪郭の状態を確認した上でご提案をしていますが、遠方の方やご来院がなかなか難しい方については、当院独自の事前カウンセリング方法として「無料画像相談」というものを行っています。こちらの相談フォームから、エラ付近がはっきりと写ったお顔の写真をお送りいただくことで、お写真などをもとに適応施術についてなどをご返信させていただいております。
…もちろん、実際にお会いしての診察ではなく「画像」をもとにした無料相談となりますので、ご提案内容にはどうしても限界が出てしまいますが、それでも、ある程度の予測やシミュレーションについてお話しすることができるかと思いますので、もしよろしければご活用されてみてください。
>画像無料相談はこちら

当院で取り扱っているエラやフェイスラインの輪郭整形・小顔整形について

最後に、当院で行っているエラを中心とした輪郭整形・小顔整形について少しだけご紹介させてください。上にも記載した通り、エラ単独の整形術で理想的なラインになることもありますが、骨格の状態によっては下顎下縁(フェイスライン)や顎先にも調整を行う必要があるため、事前の診察や検査結果をもとに具体的な施術法をご提案させていただいております。

エラの骨削り・骨切り術

出っ張っているエラ(下顎角)を削る・もしくは除去することで滑らかなフェイスラインへ変化をさせる輪郭整形・小顔整形術です。上でも伝えた通り、輪郭整形が適応となるのはエラの骨=下顎角(フェイスラインの骨の端)が張り出している場合で、エラの筋肉(咬筋)が張り出している方についてはボトックス注射が適応となります。
エラ骨切り術について詳しくはこちら

小顔・Vライン形成術

エラ部分の調整だけでは理想のフェイスラインにならない場合には、フェイスライン全体(下顎下縁)や顎先など複数個所の骨格を整える「小顔・Vライン形成術」がお勧めとなります。小顔・Vライン形成術にはより細かくいくつかの施術法があり、一人ひとりの骨格にあわせて最適なプランで施術を行います。
小顔・Vライン形成術について詳しくはこちら

あご(おとがい)骨切り術

エラの他、顎先にもボリュームがある際には、あご(おとがい)骨切り術で顎先のラインをシャープに整えることが可能です。あご(おとがい)骨切り術は対応範囲が広い施術で、顎先のボリュームを小さくするだけではなく、引っ込んでいる顎を前に出す・出過ぎた顎をひっこめる・短い顎を長くする・左右に歪んだ顎をまっすぐにするといった目的でも適応となります。この部分を整えると、より小顔で美しいVラインを形成することが可能です。
あご(おとがい)骨切り術について詳しくはこちら

なお当院では、上にあげた施術の他に、頬骨骨削り・骨切り術(張り出した頬骨を小さくする)や、Eライン形成(横顔を美しく整える)といった輪郭整形・小顔整形も行っています。

当院のエラ整形(骨削り・骨切り術)の特長について

・3D画像(ベクトラ)で術後のシミュレーションができる
・形成外科・美容外科歴30年超の院長が手術を監修
・美容医療を併用したトータル顔面形成も可能

みずほクリニックで行っているエラ整形(骨削り・骨切り術)の特長を3つにまとめてみました。画像シミュレーションソフト「ベクトラ」は、施術前にご自身の写真をもとに作成した3D画像で術後イメージのシミュレーションができるため、実際に手術を受けるとどんな風に変わるのか?という点をイメージしやすく、希望に近い形で施術を進めることができます。また当院のエラ削り・骨切りの手術は、美容外科・形成外科歴30年超の院長小松がすべて担当しており、理想の仕上がりを徹底的に追及した施術を行っています。また当院では骨切り術以外にも様々な美容医療も取り扱っていますので、脂肪吸引やボトックス注射、レーザーなどと組み合わせた形での小顔治療も得意としています。

エラ張りや小顔に関するご相談はお気軽にどうぞ

エラ整形(骨削り・骨切り術)は、注入術や糸リフト術などの一般的な美容医療と比較して施術の難易度がかなり高く、医師の経験や手技力が結果に影響する可能性も大きい施術のひとつです。そのため、医師選び・クリニック選びは施術を成功させるためにとても重要なポイントになるので、今回のコラムでお話をしたような点に注意をして施術を受けるようにしてください。

今回はエラ整形を失敗させない方法についてまとめてみました。
より詳しい施術法やダウンタイム、術後の過ごし方などで何か気になる点がある際には、無料画像相談も承っておりますのでお気軽にご活用ください。
>画像無料相談はこちら

コラムカテゴリー

監修医師
みずほクリニック

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。 免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士