「下膨れ顔」はおたふく顔などとも言われ、フェイスラインの下側にボリュームがあり膨らんでいる状態を言います。頬の高い位置の輪郭にはそれほどボリュームがないものの、口元付近がぷっくりと膨らんでおり、全体的に見た際に「顔の下半分」がかなり大きく見えることが多いです。下膨れ顔は生まれつきであることが多いのですが、当院にも輪郭下部のボリュームを小顔整形で減らしたいという相談に来られる方が多く、やはり気にしている方が多いように感じます。今回は顔の下半分にボリュームがある下膨れた顔の原因や改善方法についてまとめてみたいと思います。

下膨れ顔とは
「下膨れ顔」は顔の下半分にボリュームがある状態を言い、親しみやすさを醸し出す半面、顔が大きく見える、実際よりも太ってみえる、実年齢よりも老けて見える、なんとなく一昔前のような顔立ちに見られるといったことがあるようです。なお、下膨れ顔の中でも、耳下あたりくびれができている場合は「ひょうたん顔」、さらに下膨れている部分が下垂している場合は「ブルドッグ顔」などと言われます。
以前は下膨れ顔が美人と言われていた時期もありますが、最近は「たぬき顔」という、輪郭全体に丸みがあって目元などの各パーツも大きく、クルクルと愛らしい雰囲気の童顔風の顔立ちが人気ということもあり、同じように輪郭にボリュームがある顔立ちではあるものの、下膨れた顔を治したいという方がますます増えているように感じます。

下膨れ顔と丸顔・エラ張りの違い
下膨れ顔と同じように輪郭にボリュームがある顔立ちとして、「丸顔」や「エラ張り」がありますが、この違いは輪郭のどこにボリュームがあるかという点になります。
〇丸顔


下膨れ顔が顔の下半分にボリュームがあるのに対して、丸顔はフェイスライン全体がふっくらしている状態を言います。
上でも少し述べましたが、ここ最近の小顔整形の傾向として、以前から人気のあるシャープなフェイスラインを目指す方とは別で、「小さくて可愛らしい丸顔にしたい」といった相談が増えてきているという特徴があります。(ここで重要なのは、丸顔であっても顔全体はキュッと小さいことです)
このような時代的な流れもあるためか、丸顔については比較的プラスのイメージも出てきているのですが、顔の下半分にだけボリュームがある下膨れ顔については、やはり「小さな顔にしたい」「シャープな輪郭にしたい」というご相談がここ最近でも多いです。
〇エラ張り


エラ張りは、顔がベース型(ひし形)になっており、耳の下付近が角ばって出っ張っている輪郭のことを言います。丸顔や下膨れ顔はふっくらとした柔らかい膨らみになりますが、エラ張りの場合はあまり柔らかい雰囲気がなく、角ばったような印象になります。
下膨れ顔の原因
顔の下半分にボリュームが生じる下膨れ顔は生まれつきであることが多いですが、具体的に下膨れ顔になる原因については以下のようなものが挙げられます。
〇脂肪が多い
フェイスラインの下部に脂肪が多いと、その分輪郭にボリュームが出ることで下膨れた顔になります。フェイスライン下部(口の横付近)に膨らみの原因となる脂肪にはジョールファットやバッカルファットがあります。ジョールファットは口横から口角下にある皮下脂肪で、バッカルファットは頬の内側の奥深い層にある脂肪となり、これらの脂肪が通常よりも多いと、顔の下半分が大きく膨らんだ状態になることが多いです。
〇骨格の張り出し
下膨れになる原因には生まれつきの骨格が関係していることがあります。顔の下半分にボリュームが出ている場合は、下顎骨(エラ骨)や下顎下縁(フェイスラインの骨)という骨が通常よりも発達していることで、下膨れた顔になります。
〇加齢による組織の下垂(たるみ)
これは30代以上の方に多い下膨れ顔の原因で、若い時は顔全体に丸みのある輪郭だったのに、年齢を重ねるうちに気が付いたらフェイスライン下部のボリュームが増えてきて下膨れの顔になったというケースが多いです。このような場合は、加齢によって皮下脂肪や皮膚にたるみが生じることで下膨れ顔にになります。顔の下半分にボリュームが出る他、ゴルゴライン、ほうれい線、マリオネットラインなどが目立つようになります。
〇筋力の低下
加齢によって筋力が低下すると、皮下組織を支える力が落ちることで脂肪などが下垂し、輪郭の下部にボリュームが溜まってしまうこともあります。筋力低下が原因の下膨れ顔も年齢を重ねることで生じやすい症状です。
下膨れ顔を自力で改善する方法
下膨れ顔の原因は脂肪や骨格、筋肉のことが多く、このような際にはなかなかセルフケアで改善することが難しいですが、下膨れてしまう原因の中には水分やリンパの流れが悪いことによるむくみが関係していることもあります。このようなむくみについては、マッサージやエクササイズなどの自力で行うケアで多少改善することもできるでしょう。

〇頬のマッサージ
頬に老廃物が溜まっていると下膨れ顔がより悪化することもあるため、むくみや老廃物を排出するようなマッサージも有効でしょう。特に頬骨下付近に溜まりやすいので、この部分に指の第一関節を当てて、痛みを感じる部位を軽くほぐすようにマッサージすると効果的です。
〇エクササイズ・トレーニング
口元の筋肉(口輪筋)をつかうことで頬のリフトアップ効果が期待できるエクササイズ・トレーニングも下膨れ顔を軽減する効果があるかもしれません。唇を前方に突き出して5秒ほどキープした後にゆっくりと通常の顔に戻し、今度は口元を横に「いー!」と引き延ばしたような状態で5秒キープするというのを3セットほど繰り返すエクササイズなどがお勧めです。このトレーニングは、首元などに力が入らないよう、口元の筋肉を使っていることを意識してゆっくりと行うようにしてください。
〇顔のリンパマッサージ
老廃物を流すにはリンパマッサージもあります。前頭部やこめかみ、生え際、えりあしなど顔周り(髪の毛との境付近)に握りこぶしにした状態で指の第一関節を当て、ゆっくりとぐるぐるほぐしていきます。
この時注意すべきは顔の皮膚にはあまり触れないことです。顔の皮膚をさすったり触りすぎると、逆にたるみが出来る原因になる他、色素沈着などが生じることもあるため注意してください。
下膨れ顔を治す小顔治療
とはいえエクササイズやマッサージには限界があります。よりしっかりと下膨れ顔を改善したい・綺麗な卵型のフェイスラインになりたい・小顔になりたい、といった際には小顔治療もご検討ください。
〇小顔マシン(クルスカ・スカルプシュアなど)
下膨れ顔の原因が脂肪の際に有効な小顔治療です。マシンは脂肪を冷却して体外に排出するクルスカ(クールスカルプティングエリート)や、脂肪を温めて溶解することで排出するスカルプシュアなどがお勧めです。いずれも痛みやダウンタイムがほとんどないため術後の日常生活にほとんど支障がない点が特徴です。小顔効果を実感するには複数回の施術が必要になることもあるため、周囲にバレずに、ゆっくり少しずつ小顔になりたいという際に有効です。
>クルスカによる小顔治療詳細はこちら
>スカルプシュアによる小顔治療詳細はこちら
クルスカによる小顔治療症例

<症例に関する情報>
治療名:クールスカルプティング・エリート 費用:3部位(両頬・顎下)82,500円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、凍傷、色素沈着、色素沈着、色素脱失、皮膚陥凹、感染、左右非対称など
〇エラボトックス
下膨れ顔の原因が筋肉(咬筋)の過発達の場合は、ボトックス注射が有効です。ボトックスは発達しすぎた筋肉の働きを緩和する働きがあり、エラ部分に注射をして下膨れの原因となるエラ筋(咬筋)を小さくすることで小顔効果を得ることができます。注射による施術ですので、ダウンタイムはほぼありません。痛みもほぼないため基本的に麻酔は行いませんが、不安な方にはもちろん麻酔を使用することも可能です。
>エラボトックスの詳細はこちら
エラボトックス症例

<症例に関する情報>
治療名:小顔注射(咬筋ボトックス)、顎ヒアルロン酸 費用:小顔注射 55,000円、顎ヒアルロン酸 77,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、表情筋麻痺、アレルギーなど
〇唾液腺ボトックス
下膨れ顔の原因が唾液腺(唾をつくる器官)肥大の場合、唾液腺ボトックスが有効です。ボトックスで発達しすぎた唾液腺の働きを弱めることで下膨れた顔をシャープにすることができます。(唾液腺ボトックスは実施しているクリニックが少ないようです)
>唾液腺ボトックスの詳細はこちら
唾液腺ボトックス症例

<症例に関する情報>
治療名:唾液腺ボトックス(舌下腺) 費用:33,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、話しづらさ、嚥下障害、唾液の分泌低下、ドライマウスなど
〇頬の脂肪吸引・脂肪除去
下膨れ顔の原因が脂肪(皮下脂肪)の場合に有効です。一度の施術でしっかりと小顔効果を得ることができ、半永久的に持続する点が特徴です。脂肪吸引といっても顔の脂肪はそこまでボリュームが多くはないので、個人差はありますが、皆さんが思われているよりもダウンタイムも比較的軽いものになることが多いです。一般的には腫れ・むくみなどが1~2週間程度続くといわれていますが、当院で施術をされた方の場合、術後2,3日でほぼ通常の状態に戻られる方が多いです。(当院では形成外科・美容外科歴30年超の院長が全ての施術を担当しております)
なお、頬の脂肪にはメーラーファット・ジョールファット・ナゾラビアルファット、さらに頬肉(頬骨上)の脂肪などがあり、どの脂肪がどの程度下垂しているかはそれぞれ個人差があるため、医師が診察の上でどの部位の脂肪を取り除くか個別で判断した上で施術を行っています。下膨れ顔の場合は頬全体もしくはジョールファットが原因のことが多いです。
>頬の脂肪吸引の詳細はこちら
>ジョールファット除去の詳細はこちら
ジョールファット除去症例

<症例に関する情報>
治療名:ジョールファット除去 費用:77,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、感染、左右非対称など
〇バッカルファット除去
下膨れ顔の原因が脂肪の中でも深層脂肪の場合は、脂肪吸引では除去することができないため口腔内を少しだけ切開して行うバッカルファット除去という脂肪除去術が有効です。口の中をわずかに切開する施術のため、術後のダウンタイムは数日~1週間程度です。
>バッカルファット除去の詳細はこちら
バッカルファット除去による小顔治療
(※脂肪吸引併用)

<症例に関する情報>
治療名:バッカルファット除去+頬の脂肪吸引 費用:バッカルファット除去220,000円、脂肪吸引154,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、感染、顔面神経麻痺、知覚麻痺、血腫など
〇輪郭整形
下膨れ顔の原因が骨格の場合は骨そのものをラインを変えることができる輪郭整形が有効です。下膨れ顔の原因になる部位にはエラ骨(下顎角)や下顎下縁(フェイスラインにある骨)が原因となります。
>エラ骨整形の詳細はこちら
エラ骨切りによる小顔治療症例
(※下顎下縁形成併用)

<症例に関する情報>
施術名:エラ(下顎角)骨切り術、下顎下縁形成術(体部削合)費用:1,320,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、顔面神経麻痺など
「ほっそりとしたフェイスライン」や「小さくて愛らしい丸顔」がここ最近のトレンドということもあり、下膨れ顔を治したいという方は以前よりも増えているようにも感じます。
むくみが関係している場合はセルフケアでも多少改善することが出来るでしょうが、脂肪や筋肉、骨格などが下膨れ顔の原因の場合は小顔治療が有効です。ダウンタイムや痛みが比較的少ないものから一度で半永久的な効果が得られるものなどいくつかありますので、気になる際にはご相談ください。