輪郭整形・小顔整形 コラムColumn

2024/12/06
顔の脂肪吸引後の「失敗」をできるだけ避ける方法とは

ふっくらとした頬やパンパンの頬肉、二重あごなどの顎下のたるみといった「顔の脂肪吸引」に関するお悩みは、10年以上前に当院を開院してから今に至るまで、コンスタントにいただいているご相談のひとつです。ただここ数年の特徴としては、「小顔」「Vライン形成」といったトータル的な変化をお求めになる方が増えているように感じます。韓国女優さんの影響などもあるのでしょうが、同じ「顔の脂肪吸引」といっても時代によって少しずつ変化しているのを日々感じています。
さらにここ最近のもう一つの特徴として、初めて脂肪吸引を行う方ではなく「他院にて脂肪吸引を行った方」からの失敗・修正のご相談をいただく機会が増えてきています。ご相談内容は様々ですが、「変化がなかった」「逆に頬がこけた」「皮膚がデコボコになった」といったものが比較的多い傾向にあります。
脂肪吸引は切開を伴わないため比較的ダウンタイムが少ない施術ではあるものの、一度施術を行うと、2回目の施術の難易度はかなり上がるため(クリニックによっては受け付けてくれないところもあるでしょう)、できれば一度でイメージ通りの仕上がりに近づけるほうが、身体への影響という面でもお勧めです。今回は顔の脂肪吸引によって生じうる失敗・後悔をできるだけ避けるためのコツについて、まとめてみたいと思います。

顔の脂肪吸引後の「失敗」をできるだけ避ける方法とは

顔の脂肪吸引でよくある失敗例

〇変化がなかった

比較的多いのは、顔の脂肪吸引を行ったのに変化がなかったという失敗です。これには施術時の「脂肪吸引量が少なかったこと」が関係しています。どの程度の脂肪を吸引するかは事前に医師が手術計画を立てる際に決定しますが、この見立てが間違っていたという可能性が高いです。

〇頬がコケた

上の失敗例とは逆に、脂肪を取られすぎて頬やコケてしまったという失敗もあります。これは施術の際に、医師が必要以上に脂肪を吸引してしまったことが原因となる他、手術の際に特定の部位に偏って何度も吸引を行ったことで、その部分だけがコケてしまったという可能性もあります。

〇皮膚がたるんだ

皮膚に弾力がある若い方の場合は、脂肪吸引をしすぎるとコケや凹みといった失敗に繋がりますが、40代以上(あくまで目安です)で皮膚の弾力が衰えてきた方の場合、脂肪を吸引されすぎた場合に皮膚が余ってたるみとなるケースがあります。

〇皮膚がデコボコになった

脂肪吸引を行う際には滑らかな仕上がりになるように皮下脂肪を均等に吸引する必要がありますが、それを行わずに一部に偏って脂肪吸引を行ってしまった際に脂肪の取り残しができてしまい、これによって皮膚がデコボコになることがあります。また脂肪吸引では皮膚表面に影響が出ないように皮膚直下の脂肪は多少残しておく必要がありますが、この部分にまでアグレッシブに吸引を行ってしまうと、吸引で生じる皮下層のデコボコが、そのまま表側(表皮)にまで反映されてしまうことがあります。

〇傷跡が消えない・いつまでも目立つ

カニューレを皮下に挿入して行う脂肪吸引では、術後に針穴を縫合した部分に数ミリ程度の線状の傷跡ができますが、この傷跡が1年以上経過しても消えない、もしくはいつまでも目立つという失敗例もあります。

〇左右差ができた

術後の左右差は、特に頬の脂肪吸引を行った場合に生じやすい失敗です。このようなトラブルは左右の脂肪を均等に吸引しなかったことで左右差が生じることが多いですが、逆に噛み癖などによって頬の脂肪量にもともと左右差がある方に対して均等に脂肪を吸引した際に生じます。

〇内出血や腫れがひどいor長引く

術後に生じる内出血や腫れの度合いは、手術時間(手術の長さ)や使用する麻酔量、脂肪吸引の手技などによって異なります。適切な麻酔量で、迅速かつ的確に手術を行うことでダウンタイムの各種症状が短くすることができますし、逆に必要以上に切開や吸引に時間が掛かったりすると、術後の赤み・腫れ・内出血などが一般的に言われるものよりも長引く可能性が高いです。顔の脂肪吸引の場合は、通常ですと赤み・腫れは1週間程度、内出血が生じた際には2週間程度のダウンタイムとなることが多いです。(当院では最適な麻酔量且つごく短時間でスピーディに施術を行っているため、個人差はありますが術後3~4日程度で各主症状が改善することが多いです)

顔の脂肪吸引で失敗したと思ったら

頬や顎下など、顔の脂肪吸引をしたものの、「変化を感じられない」「もっと細くしたかったのに…」「左右差がある気がする」など、術後に失敗や後悔を感じてしまった場合、どのように対応すればいいか悩む方も多いでしょう。しかし、脂肪吸引後に感じる失敗や後悔に対する対処法については、施術から「半年程度経っているか」という点が大変大事なポイントになります。半年経過しているかどうかによって、失敗に対する対処法が異なってくるため、まずはこの部分を理解しておいていただければとおもいます。

顔の脂肪吸引で失敗したと思ったら

〇術後から半年以内の場合

顔の脂肪吸引後は、赤み・腫れ・むくみ・ツッパリ感などのダウンタイムの各症状が生じます。目立つものは1か月程度でほぼ改善しますが、わずかなむくみ・腫れなどはその後も3か月~半年程度は続きます。そのため顔の脂肪吸引をしてから半年以内の方の場合は、まだ術後のダウンタイムが残っている可能性があります。そのため、半年以内に感じる違和感や失敗については、まだダウンタイム中ゆえに改善されていく可能性もあります。そのためこの期間については、無理に何か対策をしたりせずに、ダウンタイムが完全になくなるのを待つことをお勧めします。(クリニックも、脂肪吸引の再手術は半年程度経過していないと組織の癒着などが残っていることが多いため受け付けていないことが多いです)
※但し、明らかに施術部位に違和感や痛みなどがあるといった際には、稀ではありますが、感染や合併症などが生じている可能性もあります。ほとんどの場合は問題ないことが多いとはいえ、このような際には手術を担当したクリニックや医師に速やかに相談するようにしてください。

〇術後から半年以上の場合

顔の脂肪吸引の施術をしてから半年以上経過すると、基本的にはダウンタイムもほぼなくなっている状態になります。(とはいえもちろん個人差がありますので、半年以上続くケースも稀にあります) この時点でも失敗したと感じられるようであれば、一度医師に相談してみることをお勧めします。相談する医師は、1回目の手術を担当した医師でもよいでしょうし、セカンドオピニオン的な意味合いも込めて他の医師に相談する形でもよいでしょう。

顔の脂肪吸引で失敗した場合の対処法

半年以上経過しても、施術部位に変化がなかったり、左右差があるなど失敗や後悔を感じられた場合、どのような対処法があるでしょうか。実際にどの方法が適しているかは医師が診察の上で判断しますが、対処法として考えられる方法を以下にまとめてみます。

顔の脂肪吸引で失敗した場合の対処法

① 頬がコケた場合/左右差が気になる場合

・ヒアルロン酸でボリュームを戻す

特に頬の場合、術者の技術力などによっては脂肪吸引後に逆に頬がコケてしまった(脂肪を取られすぎた)という失敗が起きることがしばしばあります。このような際に最もシンプル且つスピーディに改善する方法としてはヒアルロン酸注入が有効です。
なお、ヒアルロン酸注入による修正術は当院でも実施しておりますが、ヒアルロン酸は1本(1㏄)買取となるため、余ったヒアルロン酸はほうれい線や目尻などのしわ、もしくは鼻スジや顎先などに同時に注入することも可能です。
ヒアルロン酸注入の詳細はこちら

・ACRS療法(肌再生療法)で自然にボリュームを戻す

ACRS療法は、自己血サイトカインリッチ血清・炎症免疫療法とも言われる肌再生療法です。ご自身の血液から抗炎症成分と成長因子だけを特殊な技法によって採取し、遠心分離機などで増幅・濃縮させてから皮膚に直接投与する再生医療で、有名なPRP療法の進化版ともいえる施術です。自身の肌細胞そのものを活性化させる治療法のためヒアルロン酸のように急激な変化は出ませんが、自然な形で少しずつ肌にボリュームを戻すことができる点が特徴です。
ACRS療法の詳細はこちら

② 変化がなかった場合/変化が少ない場合

・脂肪溶解注射でボリュームを減らす

頬や顎下の脂肪吸引を行ったものの思ったほどの変化が得られなかったという際に、比較的手軽にできる追加施術としては脂肪溶解注射(メソセラピー)があります。脂肪溶解成分を配合した薬剤を頬や顎下などに注入して脂肪を分解させる顔痩せ治療です。手軽ではありますが、多少痛みが生じることがある他、効果を実感するまでには3~5回程度の施術が必要になります。
脂肪溶解注射の詳細はこちら

・脂肪吸引の修正手術を行う

1回目の手術でほとんど変化がなかったという際には、脂肪吸引の再手術もご検討いただくほうがよいでしょう。但し2回目の手術は、1回目の手術で生じた皮下組織の癒着などを剥離しながら操作を行う必要があり、1回目よりも手術の難易度が上がることが想定されます。そのため外科治療や再手術に慣れた医師に相談することをお勧めします。
頬の脂肪吸引の詳細はこちら

・場合によっては輪郭整形術などが必要なことも

そもそも論になってしまいますが、場合によっては「脂肪吸引が適応ではなかった」という可能性もあるのではないかと考えています。つまり、頬や顎下の膨らみが脂肪由来ではなく、骨格や筋肉、もしくは唾液腺の肥大が原因であることも考えられます。このような際には脂肪吸引ではなく、輪郭整形(骨切り)やボトックス注射などで頬や顎下の膨らみを除去することが可能です。
輪郭整形の詳細はこちら
小顔ボトックス注射の詳細はこちら
唾液腺ボトックスの詳細はこちら

顔の脂肪吸引による失敗・後悔を避ける方法

今回は頬や顎下など、顔の脂肪吸引における失敗例についてまとめてみましたが、このような残念な結果や失敗を避けるためには、脂肪吸引の手術経験が豊富で知見に富んだ医師・クリニックに相談することが最も重要ではないかと考えています。外来でお話を伺っていると、やはり価格や知名度といった点でクリニックを選んでおられる方も多いようですが、(安かろう・悪かろうとはもちろん申しませんが)広告費を大々的にかけているようなクリニックが、破格の安さで施術を提供しているのには何かあると考えたほうが良いのかもしれません。

顔の脂肪吸引による失敗・後悔を避ける方法

当院では頬骨上(頬肉)の脂肪吸引なども行っています

美容形成外科・美容皮膚科を標ぼうする当院でも、もちろん顔の脂肪吸引を行っています。
当院で行っている顔の脂肪吸引においては、一般的に行われている「頬」「顎下」の他に、「頬骨上(笑った際に盛り上がる頬肉)」の脂肪吸引も行っているところなどが特徴的かもしれません。最後に簡単ですが紹介を少しだけさせていただきます。

〇頬骨上(頬肉)の脂肪吸引も行っています

他院ではあまり行っているところも少ないようですが、当院では笑った際に盛り上がる頬の肉、いわゆる頬肉(頬骨上)の脂肪吸引も行っています。この部位は特に若い女性からご相談が多いのですが、頬肉についても脂肪吸引によってすっきりとさせることが可能です。一般的な頬の脂肪吸引(ジョールファット・メーラーファット)を行っても、この部位の脂肪に変化はありませんので、頬肉が気になる際にはこの部位をターゲットとした脂肪吸引が有効となります。
頬肉(頬骨上)の脂肪吸引の詳細はこちら

頬骨上(頬肉)の脂肪吸引も行っています

〇ベイザー・アキーセル脂肪吸引も人気です

脂肪吸引は行いたいものの、術後のダウンタイムや施術の痛みはできるだけ避けたいという方にお勧めしたいのは、ベイザー(超音波)とアキーセル(超振動)を組み合わせて行う脂肪吸引です。2つの痩身機器を使用して、脂肪細胞を細か砕いた後に吸引を行うため、吸引がスムーズ=痛みが少なく施術時間が短くなる他、液体のような状態になるため吸引量も増える=よりしっかりと小顔効果を得ることができます。さらに仕上がりについても、スムーズに吸引を行うことができるため皮膚にデコボコなども生じることがほとんとないなどの特徴が挙げられます。
通常の脂肪吸引(シリンジ法)と比較すると実に様々なメリットがありますので、当院でもベイザー・アキーセルを使用した脂肪吸引をお勧めしています。(ベイザーは比較的導入しているクリニックが多いですが、アキーセルはそれほど導入されておりません)
ベイザー・アキーセル脂肪吸引の詳細はこちら

ベイザー・アキーセル脂肪吸引も人気です

〇輪郭整形やボトックスなどとのコンビ治療も得意です

小顔治療は脂肪吸引による施術だけではありません。原因によっては、輪郭整形(骨格に由来)やボトックス注射(筋肉や唾液腺の過発達に由来)が適応となることももちろん多くあります。上の失敗例にも記載しましたが、そもそも顔が大きく見える・パンパンに見えるなどの原因が脂肪だけではなく骨格や筋肉なども関係している場合は、これらの組織にもアプローチをする必要があります。形成外科出身の当院院長は特に輪郭整形(骨切り術)を最も得意としておりますので、このような際には脂肪吸引とあわせて輪郭整形術やボトックスなどの施術を併用することも可能です。

輪郭整形やボトックスなどとのコンビ治療も得意です

〇全ての手術を院長が担当します

大手クリニックの場合、医師が多数在籍しているため指名をしない限りはどの医師が担当になるかはわかりません。経験豊富な医師であれば安心ですが、中には研修が終わってすぐの医師が執刀を担当することもあるように伺います。もちろん、手術中は指導医が横についてサポートをしながら施術を行うのでしょうが、とはいえ少し不安を感じる方も中にはおられるかもしれません。当院は院長が個人で開院しているクリニックですので、全ての診察・施術・アフターフォローまでを一貫して院長自らが対応しています。また、個人院ですので人件費や広告費などが少ない=施術費用に上乗せする費用がないため、リーズナブルな価格で施術を提供することができているのではないかと考えております。

全ての手術を院長が担当します

顔の脂肪吸引による実際の症例写真

最後に、当院で行った顔の脂肪吸引の実際の症例を紹介します。頬や顎下の脂肪吸引をご検討の際には、参考にしてみていただければと思います。

頬の脂肪吸引(ジョールファット除去/ベイザー使用)

頬の脂肪吸引(ジョールファット除去/ベイザー使用)の症例写真・ビフォーアフター

<症例に関する情報>

治療名:頬の脂肪吸引(ジョールファット除去/ベイザー使用)  費用:154,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:脂肪吸引/腫れ、内出血、左右非対称性、皮膚面の凹凸、塞栓症など 鼻手術/腫れ、内出血、血腫、左右非対称性、皮膚面の凹凸、傷跡など
>症例詳細はこちら

頬の脂肪吸引(ジョールファット除去/ベイザー使用)
※別途鼻整形も同日に実施

頬の脂肪吸引(ジョールファット除去/ベイザー使用)の症例写真・ビフォーアフター

<症例に関する情報>

治療名:頬の脂肪吸引(ジョールファット除去) ※別途鼻の整形も同時に施術 費用:頬脂肪吸引 154,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:脂肪吸引/腫れ、内出血、左右非対称性、皮膚面の凹凸、塞栓症など 鼻手術/腫れ、内出血、血腫、左右非対称性、皮膚面の凹凸、傷跡など

昨今は小顔整形やVライン整形を希望される方がかなり増えており、当院でも日々カウンセリングや手術を行っています。ただし、施術や相談数が増えるのに比例して、修正や失敗の相談も増えているのは残念な事実ではあります。せっかく手術を行うのであれば、誰であっても一度で理想の小顔を手に入れられるほうが断然よいはずですので、医師選びやクリニック選びは慎重に行うようにしてください。この記事を通して、後悔される方が一人でも減ってくれればと切に願っています。
監修医師
みずほクリニック

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。 免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士