輪郭整形・小顔整形 コラムColumn

2023/01/24
口ゴボは矯正で治る?口ゴボの原因と治療方法について


口ゴボとは、口元が全体的に前方に出ている状態の俗称です。顔の下半分が「ゴボッ」としているという擬態語から、このような言葉で言われるようになったようです。(医学用語よりもある意味わかりやすい表現なのかもしれないですね…)
30年以上に渡って口腔外科・輪郭整形の治療に携わっていますが、ここ数年は、出っ歯・受け口といった口元のお悩みよりも、このような「口ゴボ」の状態を治したいというご相談が圧倒的に増えています。そこで今回は、口ゴボの原因や治す方法について詳しく解説したいと思います。

口ゴボ(くちごぼ)とは

「一重まぶたか二重まぶたか?」「鼻が低いか高いか?」という部分はご自身でもすぐにわかる部分かと思いますが、口ゴボは意外に自分では気づきにくく、他の人から指摘されたり写真をみて「自分もそうかも」と思われる方も多いようです。そのためまずは口ゴボと言われる状態について・症状についてまとめてみたいと思います。

口ゴボとは、口元が「ゴボっ」と前に出ている状態を言います

口ゴボとは、上あごと下あごが前に前方に突出していることで、口元がゴボっとしている状態を言います。口ゴボの特長としては、以下が挙げられます。

・横から見た際に鼻先よりも口元が前に出ている
・鼻の下が盛り上がっている
・鼻の下が伸びて見える

ご自身の口元がゴリラに似ている気がする、と当院に相談に来られる方も時々いらっしゃいます。
たしかにゴリラやチンパンジーなどは、上の口ゴボの特長が該当するかもしれません。

いずれにせよ、あまりよいイメージを持たれないこともあり、昨今は「口ゴボを治したい」「横顔美人になりたい」「Eライン(=鼻先と顎先を結んだ直線内に口元がおさまっている状態)をきれいにしたい」という相談が増えています。

口ゴボは、出っ歯や受け口とは異なる症状

ここ最近の輪郭形成・口腔外科分野において多い口元のお悩みは「口ゴボ」とお伝えしましたが、それ以外の口元のお悩みとしては、出っ歯・受け口があります。時々これらの違いについて質問を受けることがあるのでこちらについて簡単に説明させていただきますと以下のようになります。(正式な医学名称も記載しますね)

口ゴボ :上あご+下あごが突出している=上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)
出っ歯 :上あごが突出している=上顎前突(じょうがくぜんとつ)
受け口 :下あごが突出している=下顎前突(かがくぜんとつ)

つまり口ゴボとは、上あごと下あごの両方が前に出ている状態を言います。
ちなみに出っ歯や受け口の場合、上の歯もしくは下の歯は正常な状態のため嚙み合わせにも問題が生じることがほとんどですが、口ゴボの場合はどちらも前に出ているため、噛み合わせには問題ないケースが多いです。

口ゴボは「見た目」への影響を気にする人が多い

噛み合わせには異常がないので、口ゴボは必ずしも治療が必要な症状というわけではありません。ただ、口ゴボだと口元が全体的にもっこりとして見た目が悪くなってしまうためコンプレックスに思っている方が多いです。特に横顔はご自身では見えづらい角度ですが人からはよく見られている部分のため、「横顔のラインをきれいにしたい」という理由で口ゴボを治したいという方も多いです。人前でも自信を持って笑いたい、口元を隠さずにおしゃべりしたい、思いっきり笑いたいという方は、口ゴボの治療を検討してみてもよいかもしれません。

口ゴボになる主な4つの原因

口ゴボになる原因には、主に先天的な要因と後天的な要因がありますが、大きく分けて4つに分かれます。それぞれについて説明します。

遺伝(骨格)|先天的な要因

口ゴボの先天的な要因として挙げられるのが遺伝(骨格)です。あごの骨格や歯の生える位置は親から遺伝することが多く、この場合はご自身で予防することができません。マウスピースなどで矯正できる場合もありますが、外科治療が必要なこともあります。

幼少期のおしゃぶり・指しゃぶり|後天的な要因

幼少期に長期間に渡っておしゃぶりを使っていたり、指をしゃぶっていたり(指しゃぶり)すると、その後口ゴボになる可能性が高いです。あごが成長する時期に指やおしゃぶりで前歯を前方に押し出し続けてしまうことで口ゴボになってしまいます。

舌の位置|後天的な要因

ちなみに皆さんは無意識の状態で舌をどこに置いていますか?普段何気なく置いている舌の位置が、口ゴボを助長していることがあります。正しい舌の位置は「上の歯の付け根」=上あごの部分で、舌全体に少し圧をかけて上の口蓋に吸いつけるような感じで置いているのが正常な状態です。実際に口ゴボの方に質問をすると、上の歯の付け根ではなく、上の歯の裏側(=正しい位置よりも下のほう)に置いている方もいらっしゃいます。このような位置に舌が長期間置かれていると、知らず知らずのうちに前歯を舌で押してしまって前歯が通常よりも前方に出てしまうのです。なお、舌が長いため正しいポジションに舌を置けないという際は、先天的な遺伝による口ゴボと考えることもできます。

口呼吸|後天的な要因

こちらは上の2つの付随的な原因のことが多いですが、日常的に口呼吸を行っていると、常に口が少し開いた状態になります。そうすると口の筋肉が弱くなってしまい、前歯が舌の筋肉に押し出されてしまって口ゴボになることがあります。

歯並びは良いのに口ゴボになるのはどうして?

「口ゴボだけど歯並びは良い」という質問も、カウンセリングでよくいただくご相談です。

一般的に歯並びが悪くなる原因は
①上下のあごの大きさや歯の大きさの「バランス」が相対的に悪い
②歯並びが悪い
③歯が大きい
などが挙げられますが、

口ゴボの場合は
①上下のあごが両方とも前に出ているため噛み合わせに支障がないことが多い
②歯が前に出ているものの、歯並びはきれいなケースも多い
③歯が大きくても、通常の口元より全体が前方に出ているためスペースが広い

という状態のため、

歯並び自体には特に影響はなく、口元全体が前方に突出した状態だけが気になるというケースもあります。

口ゴボの治し方は大きく分けて2つ

前置きが長くなってしまいました、続いて(やっと?)口ゴボの治し方について説明したいと思います。結論を先に申しますと、口ゴボは歯科・歯列矯正もしくは輪郭整形(美容整形)によって改善することができます。

歯科・歯列矯正

歯が前に出ている状態が原因で口ゴボになっている場合は、歯科・歯列矯正によって治療が可能です。歯科・歯列矯正には大きく分けて以下の3つの方法があり、歯並びや噛み合わせの状態や、患者様の審美面へのこだわりなどによって適した治療法が異なります。
なお歯科・歯列矯正で改善できる口ゴボは「歯の生え方」に問題がある場合となり、あごが前に出ている場合は矯正治療での改善は見込めません。

輪郭整形(美容整形)

歯は前に出ていないものの、あご(骨格)が前に出ていることで口ゴボになっている場合は、輪郭整形(美容整形)によって改善することができます。前に出ているあごの骨を骨切りして後ろの後退させることで、口元全体を後ろに下げます。

口ゴボを自力で治す方法はあるのか?

上で述べた通り、口ゴボは歯もしくは骨格が原因で生じることが多いため、残念ながらマッサージやセルフケアなど自力で治すことは難しいでしょう。ただし歯科矯正や輪郭整形(美容整形)で口ゴボを治した後は、日常生活における悪習慣(口呼吸や舌の位置など)の改善には取り組むようにしてください。

歯科・歯列矯正で治る口ゴボについて

口ゴボが歯科・歯列矯正もしくは輪郭整形(美容整形)で改善することができるとお伝えしましたが、ここではそれぞれの治し方について、より詳しく説明していきたいと思います。
まずは、歯科・歯列矯正によって治療できる口ゴボについてお伝えします。

口ゴボの原因が「歯並びが悪い」場合は歯科・歯列矯正が◎

歯並びが悪い状態は「叢生(そうせい)」と言い、これは顎が通常よりも小さいことが原因で起きる症状で、顎が小さいため生えてきた歯がまっすぐ上方向に成長出来ず、歯が重なり合ってしまったり、アチコチを向いた状態になってしまいます。このように歯の生え方(歯並び)に問題があり口元が前方に出てしまっている口ゴボ状態になっている場合は、歯科・歯列矯正によって改善することが可能です。

歯科・歯列矯正の種類

歯科・歯列矯正には主に3つの種類があります。どの方法が適しているかは患者様ごとに異なりますので、歯科医師と相談の上で決定するのがよいかと思います。

<ワイヤー矯正(表側)>

歯科治療においてかなり以前から行われている伝統的ともいえるオーソドックスな歯列矯正です。最も症例数が多く、また矯正力も強いため、口ゴボの原因が歯の生え方にある場合で、治療中の見た目にこだわらない際には最も一般的な選択肢になるかと思います。歯の表面につけた小さな装置(マルチブラケット)にワイヤーを通し、歯を引っ張って動かすことで歯並びを改善します。

<ワイヤー矯正(裏側)>

昨今は、ワイヤー矯正の中でも裏側矯正という歯の裏側からワイヤーを装着する方法も人気です。裏側矯正の場合は歯の裏側にワイヤーをつけて、引く力によって前歯を後ろに動かしていく矯正です。表側矯正と違ってワイヤーやブランケットが目立ちにくい点がメリットですが、治療中に痛みが生じたり、滑舌に影響する他、導入している歯科が少ない点がデメリットと言えるかもしれません。

<マウスピース矯正>

ここ数年で人気の歯科矯正術です。透明なマウスピースを使うため治療中でもほぼ目立たない点が最大の特長です。特にインビザラインというマウスピースは人気を博しています。ただし移動できる範囲に限界があるため、重度の口ゴボの場合は改善できないことが多いです。

輪郭整形(美容整形)で治る口ゴボは?

輪郭整形(美容整形)で治る口ゴボは、歯並びではなくあご(骨格)が原因の口ゴボなどです。以下でもう少し詳しく説明します。

口ゴボの原因が「あご(骨格)が出ている」場合は輪郭整形(美容整形)で

口ゴボの原因が、歯並びが悪いためではなく、その土台となる部分のあご(骨格)が出っ張っている場合は、美容外科で行う輪郭整形(美容整形)で治すことが可能です。この施術ではあごの骨自体を後ろに下げる必要があるため、骨を削ったり切ったりする施術になります。
口ゴボの場合は、上あごと下あごの両方が前に出ているケースが多いので、上と下のあごを後方に下げる手術を行います。これを「上下顎前歯部歯槽骨切り術(じょうげがくせんしぶしそうこつきりじゅつ)」と言います。

・・・上下顎前歯部歯槽骨切り術、かなり読み方が難しいですよね苦笑。

そのため上下顎歯部歯槽骨切り術は、一般的には「セットバック整形」(もしくは上下セットバック整形)と言われることが多いです。上下のあご骨を後ろに下げるので、「セット(上下両方)+バック(後ろ)」で「セットバック整形」です。これならわかりやすいですよね笑!

※なお、上あごだけ後ろに下げる場合は「上セットバック整形」、下あごだけ後ろに下げる場合は「下セットバック整形」と言います。今回解説している口ゴボを改善するためには上下あご両方を後ろに下げる形になりますが、これは「セットバック整形」「上下セットバック整形」と言います。

鼻が低い・唇が分厚いなど相対的に口ゴボに見えている場合も輪郭整形が対象

なお、歯並びやあご(骨格)に問題がなくても口ゴボになってしまうことがあります。これは横から見た際のEラインにおいて、相対的に鼻が低かったり、あごに高さがないケースが該当します。このような際には輪郭整形以外の美容医療によって口ゴボを改善することが可能です。
・鼻が低い場合:鼻整形(鼻中隔延長・鼻尖耳介軟骨移植など)
・唇が引っ込んでいる:唇にボリュームを出す(ヒアルロン酸注入)
・あごに高さがない:ヒアルロン酸注入、プロテーゼ挿入など

※このような症状による口ゴボを改善する治療も当院ではもちろん取り扱っていますので、今回のメインテーマである歯やあご(骨格)が原因ではないと思われる際もお気軽にご相談ください。

みずほクリニックで行っている口ゴボを改善する美容整形について

小顔整形・輪郭整形を得意としている当院では、口ゴボを目立たなくする方法としてはオトガイ形成やEライン形成術等を行っています。(以前は口腔外科治療も行っておりましたが、現在は行っておりません)いずれの施術も、形成外科・美容外科歴30年超の当院院長(小松)が豊富な症例経験をもとに施術を行っており、その方にあった「自然な変化」を出すことをモットーとしています。

当院の小顔整形・輪郭整形術の3つの特徴

・3D画像で術後のシミュレーションができる
・輪郭整形・骨格整形を得意とする医師が執刀
・見た目だけでなく機能面の改善も期待できる

当院の小顔整形・輪郭整形術では、施術を行う前に、ご自身の写真をもとに作成した3D画像を用いた術後シミュレーションができます。実際に手術を受けると口元にどのような変化があるのか事前にイメージしやすく、理想に近い形で施術を進めることが可能です。また、30年以上の実績・経験を積んだ美容外科・形成外科医の院長が全ての施術を行っており、機能面はもちろん審美面(ビジュアル・見た目)にも最大限の配慮をした輪郭整形(美容整形)を行っています。数ミリ単位まで輪郭のラインを調整した上で施術を行っていますので、術後のイメージについてご希望があればお気軽にお申し付けください。

コラムカテゴリー

監修医師
みずほクリニック

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。 免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士