輪郭整形・小顔整形 コラムColumn

2022/12/09
受け口とは?原因や治療(矯正・手術)、自力でできる治し方について

「受け口」とは実際にどのような状態を指すのか、またその改善方法についてをまとめます。

受け口とは

受け口とは、上あごよりも下あごが前方に突出している状態を言います。

●上顎よりも下顎が出ている状態

受け口とは、上のイラストで示した通り、上あごよりも下あごが前方に突出している状態を言います。下あごが突出するため唇の位置も同様に、下唇が上唇よりも前に出た状態になります。正面から見た際には受け口かどうか判断しにくいケースもありますが、横から見るとはっきりとわかることが多いです。また口を横に大きく開いた際(口を「イー」の形にしたとき)に、下の前歯が上の前歯よりも前に出ていれば受け口と言えるでしょう。
一般的に美しい横顔は、「鼻先」と「顎先」を結んだライン(美容医療業界ではこのラインを「Eライン/エステティックライン」と言います)の中に口元が少し入った状態ですが、受け口の場合はこのラインよりも下あごが前方に出た形になります。
さらに受け口の場合、「サシスセソ」の発音が不明瞭で聞き取りにくくなる、会話の際に滑舌が悪くなる、食事の際の咀嚼がしづらくなるといった機能面でも支障が生じることがあるため、気になる際には改善対策をすることをお勧めします。

●「反対咬合(はんたいこうごう)」や「しゃくれ」とも言います

受け口は、正式な歯科用語では「反対咬合(はんたいこうごう)」と言います。「咬合(こうごう)」とはかみ合わせのことを指し、受け口と言われる症状の場合は、「下あごが出ている」=「通常のかみ合わせ(上顎が出ている)の逆になる」ために、「反対咬合」と言います。

また、受け口は「しゃくれ」と言われることもありますが、実際は受け口としゃくれは根本的に異なる症状を指します。しゃくれは下顎が前に出ている状態で、「骨格」が原因です。対して受け口(反対咬合)は、上に述べた通り、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている噛み合わせが逆の状態のことを指し、「歯並び」が原因です。ただし見た目では、受け口(反対咬合)の場合も下顎が飛び出たように見えるため、しゃくれと同じ意味で使用されることも多くあります。

●受け口には2種類ある

受け口・しゃくれには、骨格が原因のものと歯並びが原因のものがあります。それぞれの違いについて、もう少し詳しくまとめます。

◎歯槽性反対咬合(しそうせいはんたいこうごう)
歯槽性反対咬合は、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている、もしくは上の前歯が内側に傾いている状態のことです。「顎の骨」の問題ではなく、「歯の傾き」が原因です。

◎骨格性反対咬合(こっかくせいはんたいこうごう)
骨格性反対咬合は、下顎が上顎よりも前に出ている状態や、上顎が下顎よりも後方にある状態のことを指します。「骨格(顎の骨)」が原因で起こっており、本来しゃくれと呼ばれるのはこの状態のときです。

受け口になる3つの原因

受け口になる原因は、遺伝、骨格(上顎の劣成長)、生活習慣の3つが大きく関係しています。

◎遺伝
歯並びや骨格は、親から遺伝しやすいものです。親が受け口だからといって必ずしも子どもも受け口になるというわけではありませんが、受け口を引き継ぐ可能性は高いです。また遺伝とは異なりますが、親の癖を子どもが真似することで受け口の原因になることがあります。

◎骨格(上顎の劣成長)
骨格が成長する過程で、受け口になってしまうことがあります。上顎の成長が悪い場合や、下顎の成長が大きい場合、相対的に下顎が前に出る形になり、受け口になります。

◎生活習慣
受け口の原因には、日々の生活習慣が関係していることもあります。頬付けをつく癖や、食べ物を噛む際に一方の歯ばかりを使ってしまう癖、舌で下の歯を押す癖など、小さなことですがこれらを幼少期から続けていると、次第に下の歯が前に出て受け口になることがあります。特に顎の骨が柔らかい幼少期にこのような癖があると、受け口になる可能性が高くなります。

受け口を自力で治す方法とは


受け口で悩んでいる方が気になるのは、自分で治せるかどうかではないでしょうか。ここでは、受け口を治す方法を「トレーニング」「マッサージ」「日常生活のポイント」に分けてご紹介します。

受け口を治すトレーニング

まずは、受け口を治すトレーニングを3つご紹介します。
筋肉の鍛えたところで受け口が改善するの?と思われる方もおられると思いますが、実は歯の位置には舌や口周辺の筋肉の動きが大きく関係しています。受け口トレーニングは、舌や口周辺の筋肉を鍛えることで嚙み合わせを改善するという目的があります。

◎舌回しトレーニング
・口を閉じた状態で奥歯の外側に舌先をつける
・反対側の奥歯まで、歯の外側をなぞっていく
※受け口を改善する効果の他、口周りのもたつき(ほうれい線、口元のたるみ、ほうれい線)改善効果も期待できます。

◎おちょぼ口トレーニング
・口をおちょぼ口の状態にする
・前に突き出す・引っ込めるを繰り返す
※口元の前後運動によって、鼻下と上唇の間の筋肉と、下唇と顎の間の筋肉を鍛えます。受け口の方の場合、特に下唇と顎の間の筋肉が相対的に弱いことがあるため、口元の上下の筋肉を均等にする目的で行います。

◎舌ポジショントレーニング
・舌を正しいポジション(上の前歯の裏側の付け根あたり)に置く
・5秒間キープし、5回ほど繰り返す
※舌回しトレーニング・おちょぼ口トレーニングは、顎周辺の筋肉を鍛えられるため、噛み合わせの改善が見込まれます。舌ポジショントレーニングは、舌の悪習慣や癖による受け口を改善したり、悪化するのを防止したりする効果が期待できます。

受け口を治すマッサージ

口を大きく開けて会話をしたり笑うと、口周辺の筋肉が大きく伸びます。逆にあまり大きな口を開ける癖がない方の場合、口周辺の筋肉をあまり大きく動かさないため口元の筋肉が凝り固まり、受け口を悪化させている可能性があります。この場合には、固まった骨格の筋肉を緩めるためにマッサージすると良いでしょう。下顎の筋肉は耳下から顎先までが凝りやすいため、親指の付け根で円を描くように圧迫してみてください。

舌の習慣

受け口になる原因として、口呼吸が挙げられます。口呼吸自体が悪いのではなく、口呼吸になることで舌が口内の下側に下がってしまい、下の歯を前に押し出してしまうケースがあります。少しの圧迫ですが、毎日繰り返されることで骨格にも影響していきます。その他、日常的に頬杖をついたりうつ伏せで寝る癖なども受け口を悪化させる原因になっていることがあります。いずれも子どもの場合、骨格がまだ完成していないため特に注意が必要です。

ひどい受け口でも治し方はある?

受け口には、軽度・中度・重度の3段階があります。
一番軽いものは歯や歯列が変形している状態で、中度だと歯並びの悪さや噛み合わせの悪さが目立ちます。重度の受け口は骨格のバランスが悪い状態です。重度の受け口については自力で治すことが難しくなるため、専門機関での治療や矯正が必要になります。

ひどい受け口を自力で治すのは難しい

ひどい受け口(重度)の場合は骨格自体に問題があることが多いため、自力で行うトレーニングやマッサージでは改善が難くなります。歯や顎の骨が原因で受け口になっている場合は、骨格にアプローチする治療が必要になるため、クリニック・病院で医師に相談するようにしてください。

受け口を放置するとどうなる?

受け口は見た目を気にされる方が多いですが、実際は健康面や日常生活にも影響を及ぼすことがあります。
・発音がうまくできない:「サ行」「タ行」の発音が難しく会話が聞き取りにくくなる
・咀嚼がうまくできない:消化不良を引き起こす原因になる
・虫歯や歯周病になる:受け口によって歯並びが悪い場合は、歯垢を取り除きにくくなり虫歯や歯周病になる可能性が高くなります
・口臭が増える:受け口は口呼吸になりやすく、さらに口呼吸によって口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなり口臭の原因となります。

受け口は見た目だけではなく健康や身体面においても影響があるため、早めに治療することをお勧めします。

受け口の主な治療方法について

受け口をそのまま放置すると、見た目だけではなく生活・健康においても様々な懸念点やリスクになりそうな点があることをお伝えしました。ここでは、受け口の主な治療方法についてみていきます。

◎ワイヤー矯正
長い実績があり症例数が豊富なのが、ワイヤー矯正による受け口治療です。歯にワイヤーと金属やセラミックでできたブランケットを装着して前方に突出した前歯を後方に移動させます。ワイヤー矯正は大人だけではなく子供でも使用することができますが、会話の際や笑った際にワイヤーや金属が見えるため見た目が気になる点や、装着時の違和感が大きい、歯磨きがしにくく虫歯や歯周病になりやすいなどのデメリットもあります。

◎マウスピース矯正
マウスピース矯正は、歯列矯正による受け口治療で昨今の主流になりつつある施術です。少しずつ形が異なるマウスピースを複数個作成し、1~2週間ごとに交換して少しずつ歯を移動させる治療です。マウスピースは透明のため装着時に目立たず、また1日数時間ですがマウスピースを外すことができる点がメリットです。

◎外科矯正(口腔外科治療・輪郭形成術)
上で紹介した歯列矯正で治療ができるのは「歯並び」が原因の受け口で、顎自体が前方に突出している場合(中度・重度の受け口の症状の場合に多く見られます)は、歯の位置をいくら変えても受け口を改善することはできません。このような際には外科矯正治療によって顎の骨を後方に移動させる手術を行います。

どの手術が適しているかは、受け口の原因(歯並びか、顎の骨か)や受け口の程度にもよるため、医師の診察をもとに施術法を選ぶ形となります。

みずほクリニックの受け口治療

ここまで受け口について全体のお話をさせていただきました。
小顔整形・輪郭整形を得意としている当院では、受け口を目立たなくする方法としてはオトガイ形成やEライン形成術等を行っています。(以前は口腔外科治療も行っておりましたが、現在は行っておりません)
いずれの施術も、形成外科・美容外科歴30年超の当院院長(小松)が豊富な症例経験をもとに施術を行っており、その方にあった「自然な変化」を出すことをモットーとしています。

みずほクリニックの受け口治療の3つの特徴

・施術前に3D画像で術後のシミュレーションができる
・美容外科・形成外科歴30年超の院長が診察・施術を担当
・美容形成外科のため機能面と審美面の両方にこだわった施術を提供

施術前に3D画像でシミュレーションができるため、施術後の姿をイメージしやすく、ご希望に近い形で施術を進めることができます。また形成外科・美容外科である当院では、機能面と審美面の両方を兼ね備えた形での輪郭整形術を行っています。

受け口改善の症例写真(下顎前歯部歯槽骨切り術・あご(おとがい)骨切り術)

受け口の改善、顎の前方移動を目的に下顎前歯部歯槽骨切り術・あご(おとがい)骨切り術を行っています。術後はあご先や唇のラインが術前よりも自然なラインになっているかと思います。
(現在本施術は行っておりません)


<症例に関する情報>
治療名:下顎前歯部歯槽骨切り術(下顎セットバック整形)・おとがい骨切り術(おとがい短縮術) 費用:下顎前歯部歯槽骨切り術(下顎セットバック整形)1回 770,000円(モニター価格715,000円)、おとがい骨切り術(おとがい短縮術)1回 660,000円(モニター価格605,000円) 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、知覚麻痺、骨壊死、骨髄炎、感染、左右非対称、顎下のたるみなど

受け口治療(下顎セットバック整形)の施術情報について

施術時間:2.5時間
ダウンタイム:腫れと内出血がひくまで約1ヶ月程度(個人差あり)
施術の痛み:麻酔を行う際の注射の痛み
通院:翌日の検診、抜糸時(10~14日目)、術後の検診(1・3・6か月後)
麻酔:全身麻酔
持続性:半永久的
リスク・副作用:術後に腫れ、内出血、痛み、痺れが生じることがあります。また術後しばらくの間、口腔内の感覚が鈍くなることがあります。通常は1か月程度で次第に改善します。歯の位置が変わることによって、一次的に舌が歯列に当たる・活舌が悪くなるといったことがありますが、これらも時間の経過とともに改善します。
合併症:ごくまれに手術部の感染から骨膜炎、知覚異常、組織壊死などの合併症が生じることがあります。

受け口治療(下顎セットバック整形)の治療費用について

下顎前歯部歯槽骨切り術(下顎セットバック整形)  770,000円

・骨切り術を複数組み合わせる場合、モニター価格の適用はいずれか1つのみとなります。
・記載料金は予告なく変更することがございます。
・カウンセリング・診察時にご提示したお見積について、有効期間は提示日より3ヶ月とさせていただきます。

受け口治療(下顎セットバック整形)後の過ごし方について

痛み止め:抗生剤を処方しますので、1週間ほど服用してください。
洗顔:手術翌日から可能です。手術部位は濡れないようにしてください。
シャワー・入浴:手術翌日より体のシャワーは可能です。洗髪も手術部位が濡れない範囲でしたら可能です。
メイク:手術翌日から可能です。ただし、手術部位は避けるようにしてください。

受け口にお悩みの方はお気軽に無料カウンセリングでご相談ください

受け口・しゃくれは、歯並びや骨格が原因によって起きる症状のため、マッサージやトレーニングなどによって多少改善させることができても、根本的な部分から改善することはなかなか難しいことが多いです。また歯周病や虫歯、口臭などの原因になる可能性もあることから、気になる際には歯列矯正や輪郭整形によって根本から改善する方法もご検討ください。
※当院では現在、下顎セットバック整形は行っておりません。

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監修医師
みずほクリニック

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。 免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士